ドラマ「風のハルカ」

ドラマ「風のハルカ」は、NHK連続テレビ小説の2005年度上半期の作品です。このドラマはちすんが全国的に知られるようになるきっかけを作った作品でもあり、彼女の出世作ともいえるドラマです。シリーズ通算第73作目となる本作の制作はNHK大阪放送局で、2005年10月3日から2006年4月1日まで放送されました。全26週・151回でした。

特徴

舞台は、大分県由布市湯布院町と大阪府大阪市です。地元の環境資産を有効に活用したユニークな地域づくりで高い評価を受けた湯布院温泉の成功と、逆にその成功ゆえに、今までの成功の資産を次世代に向けてどう継承し、発展するかが切実な課題となっている現状を物語の伏線とし、そこに崩壊した家族を再生するための家族ひとりひとりの試行錯誤の物語を重ね合わせたストーリーとなっています。脚本は、「カバチタレ!」「マイ☆ボス マイ☆ヒーロー」などで知られる大森美香はこのドラマのために書き下ろしました。脚本の大森以外にも製作統括は片岡敬司、音楽は本多俊之と、人気を博したNHK夜ドラマ「ニコニコ日記」のスタッフが集結しました。ドラマ内で主人公たちの子供時代に放映されていたことになっている特撮ヒーロー「ガイセイバーZ」は、「ニコニコ日記」の中では木村佳乃演じる主人公が脚本を担当していました。物語は、湯布院の父子家庭の下で貧しい生活を送ったハルカが、大阪の別れた母の元へ行き、やがて幸福の本当の意味を知って家族の再生を目指すというサクセスストーリーです。なお、大分県が朝ドラの主要な舞台となったのは今回が初でした。

スタッフ

  • 作・・・大森美香
  • 音楽・サックス演奏・・・本多俊之
  • 主題歌・・・「風花」作詞・作曲:森山直太朗/御徒町凧、編曲:渡辺善太郎、歌:森山直太朗
  • 語り・・・中村メイコ(ハルカたちを温かく見守る由布岳の精という設定)
  • 副音声解説・・・江原正士
  • 制作統括・・・片岡敬司
  • プロデュース・・・高橋練
  • 演出・・・片岡敬司、遠藤理史、佐藤譲、真鍋斎、勝田夏子、菓子浩、田中正、周山誠弘

登場人物とキャスト

水野・神崎家

水野(猿丸)ハルカ・・・村川絵梨(幼少時:村崎真彩)

本作の主人公です。短大卒業後に銀行への就職が決まり、そのお金で妹を都内の大学に通わせる予定だったのですが、突然銀行が倒産してしまいます。妹を大学に通わせるため湯布院から大阪の別れた母の元へ行き、旅行会社「そよかぜツーリスト」の大阪支店に勤めることに。なかなか母とは和解できなかったのですが、ここで本当のしあわせの意味に気付きます。後に東京への転勤の辞令を断り、旅行会社を退社。湯布院に帰り、短大時代にアルバイトをしていた由布院観光組合事務所にスタッフとして再就職しました。最終回では猿丸と結婚しました。

水野陽介・・・渡辺いっけい

ハルカの父です。元は敏腕商社マンだったのですが、スーツを着ていないと口下手になるのが特徴です。脱サラして大阪から湯布院に娘たちと共に移り住み、レストランを開店しますが数年で閉店。レストラン再会を目指して奮闘し、後に地元産の野菜を黒焦げにした料理が名物の「風のレストラン」を開店します。その後レストランは何故だか大繁盛しました。特技はトランペットです。

神崎木綿子・・・真矢みき

ハルカの母です。上昇志向が強いためか、あるいは大学卒業後の夢が陽介とのできちゃった結婚で挫折したためか、故郷の湯布院を憎んでいます。湯布院移住の際に陽介と離婚して大阪に残り、公認会計士の資格を取って会計事務所に勤め始めました。青木健二とは同棲する仲で、後に健二を追いかけてロンドンへと旅立ちました。

水野(浜口)アスカ・・・黒川芽以(幼少時:枡岡明)

ハルカの妹です。高校3年生の時に「家族崩壊」をテーマに執筆した小説が文学賞に入賞し、東京で大学生と小説家の二足の草鞋を履くこととなりました。後にハルカの小学校時代の担任・浜口佑介とできちゃった結婚しました。

神崎ちい・・・朝丘雪路(少女時代:尾高杏奈)

ハルカの祖母で、木綿子の母です。一二三一家と一緒に暮らしています。

神崎一二三・・・升毅

ハルカの叔父で、木綿子の兄です。花農園を経営しています。宴会が好きで「よだきぃよだきぃ」が口癖です。

神崎光代・・・宮崎美子

一二三の妻です。楽天家な夫と息子に代わって家を束ねるしっかり者。郷土料理とゼリーが得意で、後に陽介の風のレストランを手伝うこととなります。

神崎由紀夫・・・中村友也(幼少時:鈴木宗太郎)

一二三と光代の息子で、ハルカの従弟です。家業の農業を手伝っています。おっとりした風貌と話し方ですが、芯はしっかりしており、家業を継ぐことに誇りを持っています。農村として地に足がついた基盤を持ち、それを未来につないでいこうとする湯布院の地域づくりの根っこを象徴する人物です。後に亜矢と恋仲になります。

倉田家

倉田宗吉・・・藤竜也

のどかな農村だった湯布院を名だたる温泉郷に育て上げた名物男で、その活躍ぶりはすでに伝説的な存在となっています。「倉田旅館」の主人でもあります。実在の人物で、湯布院温泉を現在の姿に育て上げた中谷健太郎ら何人かの著名な地元の牽引役を投影した登場人物であり、この一群のモデルの人々と演じた藤竜也も以前から親交があったそうです。

倉田百江・・・木村佳乃

宗吉の29歳年下の後妻です。正巳の義母にあたります。「倉田旅館」の女将を務めています。

倉田正巳・・・黄川田将也(幼少時:笘篠和馬)

ハルカの幼馴染で、老舗旅館「倉田旅館」の跡取り息子です。宗吉の息子にあたります。生まれてすぐに実母を亡くしました。顔の良さと優しい性格で非常に女性にもてるのですが、甘やかされて育ったため苦しいことにはすぐに音をあげる性格に育ってしまいました。湯布院を現在の姿に育て上げた偉大な父を超えられない重圧に常に押しつぶされそうになっています。いわば、偉大な過去をいかに継承発展させるかに悩む現在の由布院温泉の苦悩を象徴する人物です。湯布院に帰ってきたハルカと婚約しますが、結婚と仕事の重圧に耐えかねて結納当日に逃亡。百江の配慮で京都の老舗旅館で厳しい修行を終え、根性を入れ替えて湯布院に帰ってきます。京都修行時に奈々枝と恋仲になりました。

湯布院の人々

猿丸啓太郎・・・松岡充

ハルカの勤務先に出入りするフォトグラファーです。たまたま知り合った四方山に頼まれて宣伝用写真も撮っていたのですが、実は世界を股にかけて活躍するかなり有名なフォトジャーナリストです。突然現れては突然去っていく、ハルカ曰く「変なハンサムさん」です。社会的には成功していますが、孤児として育ったゆえの強い孤独感を心に宿しており、それを癒してくれるハルカを次第に深く愛するよるになっていきます。最終回ではハルカと結婚しました。

東山亜矢・・・MEGUMI

大阪でのハルカの友人です。仕事も遊びもできるバリバリのキャリアOLだったのですが、都会の仕事に微妙な違和感を覚えています。後に農業に目覚め、仕事を辞めて湯布院に移住しました。やがて農業を愛する由紀夫の度量の広さに惚れ、恋仲になりました。

村崎静子・・・三浦理恵子

湯布院に帰ったハルカが勤める湯布院観光組合事務所の先輩事務職員です。ハルカの父・陽介に好意を寄せています。

藤沢義三・・・螢雪次朗

湯布院観光組合事務所所長です。蝶ネクタイがトレードマークです。

木内奈々枝・・・水川あさみ(幼少時:菅野莉央)

ハルカの幼馴染です。兄を亡くし一家離散の後、別府でホステスをしていたのですが、後に「倉田旅館」で仲居として働くようになりました。行方不明だった父と大阪で再会しますが、危うく騙されかけたところを正巳に救われました。後に正巳と恋仲になり、百江から女将修行を受け始めます。

木内智也・・・森田直幸

奈々枝の兄です。不治の病で早くに亡くなりました。ハルカの初恋の相手でした。

山内悟史・・・出口哲也(幼少期:松田和)

ハルカの幼馴染です。「倉田旅館」で板前として働いています。後に幼馴染の万里子と結婚しました。

花田(山中)万里子・・・木南晴夏(幼少期:中村愛)

ハルカの幼馴染です。後に同じく幼馴染の悟史と結婚しました。

浜口佑介・・・近藤公園

ハルカの小学校時代の担任の先生です。後にアスカとできちゃった結婚します。特技は手品です。

旅行会社「そよかぜツーリスト」東大阪支店関係

四方山一行・・・桂文珍

ハルカの大阪での勤務先、そよかぜツーリスト大阪東支店の名物支店長です。彼の名を冠したツアーには、彼を慕う常連客が大勢集まります。

青木健二・・・別所哲也

ハルカの勤めるそよかぜツーリストの課長で、木綿子の同棲中の恋人です。ハルカとは木綿子のマンションで同居することになりました。木綿子にプロポーズしますが、直後にロンドン支店に転勤してしまいます。

深田亜津子・・・ちすん

ハルカの先輩の女性社員です。「職場の花の地位を脅かす」ハルカの入社直後には辛くあたりますが、後に亜矢と共にハルカの大阪での友人となりました。

佐藤まこと・・・山本禎顕

ハルカと同期入社の男性社員です。四方山に中々名前を憶えて貰えず、入社直後から「辞めたい」が口癖だったのですが、なんだかんだで頑張っています。物語中盤で亜津子と仲良くなり「仕事がんばったら付き合ってやってもいい」と言われて発奮。最終回では働きが認められ社長賞をとりました。

犬養蘭子・・・華ゆり

そよかぜツーリストの社員たちのたまり場、タコ焼き屋「たこばあば」の店主です。派手で押しの強い典型的な大阪の「おかん」。ドラマ内では四方山は蘭子のことを姉さんと呼んでいましたが、実際に姉弟関係なのか年上の女性に対する形容なのかは不明です。

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