些細なトラブルが凶悪な事件に発展する映画ヒーローショー

映画『ヒーローショー』

ヒーローショー

ヒーローショーは2010年に公開された、漫才コンビジャルジャルが主演の井筒監督の作品。

正義の味方と悪役が登場するヒーローショーが最初の舞台でありながら、子供が見ることのできないR指定。その理由は、子供に正義を教えるヒーローショーとは大きく違い、ちょっとした事件から凄惨なバイオレンスへと発展していくストーリー。

先輩にヒーローショーの悪役のバイトを紹介してもらうが、バイト仲間がバイトを紹介してくれた先輩の彼女を寝取ったことから事件は起こる。本当は間違いをただすはずの行動が、エスカレートして暴力へ。解決しようとしたはずが更なる暴力を生み、人が絡めば絡むほど事件は大きくなる。ちょっとした脅しのはずが、大きな殺人事件へと発展してしまう。

このヒーローショー、映画での舞台設定は千葉県ですが、実は東大阪殺人事件を題材にしているといわれています。

付き合っていた彼女にちょっかいをかけられ、少し〆るつもりで暴力を使ってしまう。恐喝と暴力を振るわれた相手が、仲間に相談し、同じ手段で報復に出てしう。集団心理も働き、結果的に2人が報復により生き埋めにされ殺された事件。

この東大阪殺人事件を知ったうえでこの作品を見ると、現実のほうがもっと凄惨で見ていられないような状況だったのではないかと考えてしまう。現在、この東大阪殺人事件で係わった人物たちは逮捕された。暴行等をエスカレートさせた人物は死刑を求刑され、主犯格は無期懲役、その他事件にかかわった人物たちは、それぞれ10年以上の懲役刑に服している。

この映画は、トラブルを暴力や脅しで解決しようとすれば、思いもよらぬ方向へ進んでしまうかもしれない。という警鐘なのだろうと思う。